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土地売買における『現況』の意味
2022-12-01
カテゴリ:その他
おはようございます。株式会社 サンホ―ムの清原です。
今回は【土地売買における『現況』の意味】について
土地売買ににおける『現況』は、そのままの状態で売買することを意味します。では、そのままの状態とは、仮に『上下水道の敷設設備(インフラ設備)が無い/隣接地が「がけ地」あるいは隣接地と高低差があり擁壁の設置等を含めて造成しなければ建物を建築する上で不都合』はありますが、【それらの費用については売主は負担しませんので、買主が負担してください】という意味です。
しかしながら、売主の方でタマに『現況』の意味を勘違いされている方がいらっしゃいます。※正直言って、不動産業者の中にもいますが。
以下、『勘違い例』を挙げてみたいと思います。
1、『現況での取引』であれば何の責任も負わなくて良い。
告知書等による報告は勿論のこと、事件及び事故等知っていることは告げないといけません。また令和2年の瑕疵担保責任から契約不適合責任への民法改正により具体的に物件の状況を明記しなければならなくなりました。ですから、以前に比べて売主の責任が重くなり、買主を保護する考え方が明確になったといえます。
2、老朽化した建物を含めて残置物が仮に存在したとしても、売主は撤去費用も含めて何の責任も負わなくて良い。
老朽化した建物や残置物が存在している土地売買に対しては注意が必要で、特にその対処方法については具体的に明記しなければなりません。例えば『建物及び建物内の動産並びに立木及び擁壁に対して売主は所有権を放棄し、買主が解体及び撤去費用を負担する』等の特約条項の明記です。
3、隣接地との境界を明示しなくても良い。
契約書約款条項には必ず『(境界の明示)売主は買主に本物件引渡しのときまでに隣地との境界を現地において明示する』と記載してあります。ですから「境界がわからない」あるいは「境界標が紛失している」または「境界標は現存しているが、屋根あるいは擁壁が越境している」場合も含めて復元・説明義務は売主側にあります。『現況』だからといって、その義務が免除される訳ではありません。しかも境界復元に際し草刈りの必要性があれば、売主が負担しなければなりません。
4、 相続登記費用・住所変更登記費用・建物滅失登記費用は売主が負担しなくて良い。
相続登記費用・住所変更登記費用は買主への所有権移転登記までに売主が行う義務があります。この点については、あまり異議を唱える方はいらっしませんが、老朽化した建物の滅失登記費用については異論を唱える方が時々いらっしゃいます。申請書類の印鑑・添付書類は売主側が用意しなければ滅失登記申請が出来ませんから、売主の負担となります。
以上参考として挙げさせてもらいました。
