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【空き家に係る譲渡所得の特例】について(その1)
2023-06-29
カテゴリ:不動産(住宅)売却,不動産(実家)売却
おはようございます。株式会社サンホ―ムの清原です。
今回は【空き家に係る譲渡取得の特例】について
お父様がお亡くなりになるまで住んでいらっしゃった住宅(以下『空き家』)を相続され、今回売却されたお客様より、売却後の税金について次のような質問をお受けしました。
その方の質問内容は
【ネット検索してみると『相続によって空き家を取得した相続人等が、相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日迄に「被相続人の居住用家屋」を売却した場合、税金を支払わなくてよい』とあるが、本売買において私は税金を支払う必要はないですか?しかも要件にある昭和56年5月31日以前の建物ですし、亡くなったその年に売却していますので。(払う必要はないのでは?)】
【空き家に係る3000万円の特別控除】については、最大3000万円迄税金が控除されますので、メリットが大きいです。メリットが大きく、空き家売却(譲渡)の要件さえ満たせば利用しやすい反面、質問者のように時々税金が安くなると早合点して間違って理解されている方がいらっしゃいます。 そこで以前本ブログで紹介しましたが、今一度【空き家に係る3000万円の特別控除】を説明したいと思います。 以下注意点を中心に説明します。
1、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること。
『父親もしくは母親が住んでいた居住用財産は全て適用される』と勘違いされている方がいらっしゃいます。また、仮に相続後直ちに家屋を取壊したとしても、建築年の要件が満たされていれば、家屋の敷地売却のみでも適用できます。
2、適用可能なのは家屋を相続した人だけです。
a、被相続人の家屋と家屋の敷地がそれぞれ別の相続人に引き継がれた場合は、家屋を相続した人にしか適用されません。
従って、家屋を相続したけれども、取壊した場合には、家屋の敷地の売却(譲渡)には適用されません。しかしながら、「家屋」あるいは「家屋と敷地」が共に相続人2人の共有である場合は、各々3000万円ずつの控除が受けられます。その場合は最大限の控除が受けられます。尚、何人共有でも構いませんが、売却金額は合計で1億円以下でなければなりません。
b、家屋を相続したという証明が必要。
売却した人が、被相続人の家屋及びその敷地を相続したという証明が必要です。
例えば『登記事項証明書」あるいは『遺産分割証明書』です。
3、新耐震基準にリフォームあるいは被相続人の家屋の取壊しは売主が行うこと。
古い建物が建っている場合、取り壊し費用を買主負担前提で売却金額を低く設定しているケースが多く見られます。売却金額から察するに、売主が建物解体費用相当額を負担したことと大差ないと思われますが、この場合は本特例を適用することは出来ません。このように解体費相当額を売却金額から控除する手法は実務上よく行われますので特に注意が必要です。
よって、質問者の方には『1番と2番の要件は満たしていますが、今回は「現況での取引(売主は新耐震基準リフォームをしていません)」でしたので3番の要件は満たしていません』ので『本売買には、この特例は適用出来ません』とアドバイスしました。
※本日は ここまで
本控除を受けるには、必ず売却年の翌年2月16日~3月15日迄に確定申告をする必要があります。 尚、税金関係については、本ブログを鵜呑みすることなく必ず税務署あるいは税理士に確認してください。
